road to spine

大学院を卒業し、田舎の病院で脊椎内視鏡手術を行っています 脊椎外科医になるために必要な事を備忘録も兼ねて たまに資産形成、英会話などについても

カテゴリ: 脊椎・脊髄

膀胱直腸障害を復習する機会がありました
特に、直腸障害については殆ど気にしたことがありませんでした
いつも、「おしっこが出ているかどうか」ばっかり気にしていました
実際に直腸障害とは何なのか?どこの筋肉に影響しているのか?全く知りませんでした

こちらに詳しくまとまっています

直腸障害は主に「便を貯める機能」と「便を排出する機能」の2つに分けて考えるとのこと
印象だったのは下記の一文

残念ながら、脊髄損傷の詳細な病態や「便意」 に関する具体的な研究は、あまり進んでいません。 はっきりしたことは今後この分野の発展を待つしかありませんが、脊髄に問題を持った方の排便障害は、「便意」の問題により排便困難を来している場合がほとんどです。 

まだ分かっていないことがたくさんあるんですね
括約筋の機能障害でしょ、くらいに考えていましたが、それは大きな間違いでした

直腸障害が遺残してしまった場合の対応として、経肛門的洗腸療法というのが提示されています
https://www.jascol.jp/member_news/2020/files/20200331.pdf?v=2
↑こちらのリンクでは、洗腸療法だけでなく病態についても載っています


専門医試験2021でも出た頭蓋底嵌入症の基準線
この4つは覚えるしかなさそうです、、
詳細は標準整形に載っています


zugaitei


・McGregor line
側面像で硬口蓋後縁と大孔後縁を結ぶ線
正常では歯突起先端がこの基準線より上方4.5mmを超えない

・McRae line
下孔の前後を結んだ線
この線より歯突起先端が上方に突出すれば頭蓋底嵌入症

・Chamberlain line
硬口蓋と下孔後縁を結んだ線
この線より2.5 mm以上歯突起が上方移動すれば頭蓋底嵌入症 
・bimastoid line
正面像で両側の乳様突起加担を結ぶ線
正常では歯突起下端がこの線より上方10mmを超えない




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肥満と腰椎麻酔の関係について
いままで何となく、体の大きい人は薬液少し多めに使おうかな、って考えていましたが間違いでした。

「肥満者では硬膜外脂肪組織の肥厚のため脊髄腔が狭くなるので、脊髄くも膜下腔に注入した局所麻酔薬は頭側へ広がりやすい」

知りませんでした、、
「デブだから多めに入れとけ!」って上司がいたような。間違ってたんですね。
結構危ないことをしていたかもしれません。

専門医試験勉強は学びが多いです。あと1週間、、



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専門医試験勉強で初めて知ったこと、、

症状固定を行って後遺症認定がなされ一定の金額が支払われます。
以後の診察費用は本人が負担することになる、そこまでしか知りませんでした。
場合によっては「アフターケア制度」といもので費用を負担してもらえるんですね。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/090325-1.pdf

脊損から熱傷、大腿骨頚部骨折に至るまで様々です。

aftercare

たとえば脊損だと診察費だけでなく褥瘡処置に関わるガーゼや、排尿障害にともなうバルーンや導尿の医療資材も対象になります。

申請は症状固定後、期限があるので要注意です。
しっかり理解して患者さんの不利益にならないようにしたいものです。

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専門医試験対策は早めに始めておくことを強くお勧めします。試験対策という意味でも、整形外科医としての基本的な知識を得ておくという点においても。
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大学に戻ってよかったと感じる点は、側弯や腫瘍、スポーツなどの各種専門外来に関わること。
教育的な先生が多く、大変勉強になります。
先日の側弯症外来で知ったこと。
検診などで指摘される子供の側弯症は親が心配していることが多く、外来も長くなりがち。
教官の先生に良い説明方法を伺ったところ、

『気になることは沢山あると思います。側弯症について、ご家族の方が気になることは側弯症学会のホームページに殆ど載っているので一度見てください。インターネットで「側弯症学会」と検索してください。』

これを言えば間違いないと教わりました。
https://www.sokuwan.jp/
sokuwanhp

たしかにとても分かりやすいし、正確な情報が載っています。
外来をスムーズに進めること、ネット上にたくさんある間違った知識を避けてもらう、という意味でもお勧めです。

同じく学会が出している下記の本も、大変分かりやすいです。



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