先日、ASO患者さんの切断高位を決めるmeetingで、上司の言葉「股離断は半分死ぬからな」。
個人的には衝撃的でした。どうやら理由としては

・そもそも股関節離断になるくらいの全身状態(腫瘍、ASOなどの内科的疾患、外傷など)。
・お尻が片方なくなるので座れなくなるため、誤嚥性肺炎、褥瘡などのリスクが高まる。

といった理由のようで、周術期に直ぐに死亡するわけではありませんが、予後は確かに悪そうです。
文献的には下記が見つかりました。

https://www.jvascsurg.org/article/S0741-5214(03)00092-2/fulltext

AK,BKも含んだmajor amputationの患者の生存率は1年で78%、3年で55%だったとのことです。
股関節離断のみになれば予後はもっと悪そうです。

切断高位を決めることは、なるべく長く残して機能的予後を取ることと、血流不良部位よりなるべく高位で切って一回の手術で終わらせることの、バランスが非常に難しいです。
症例にもよると思うのですが、経験の多い医師ほど高位で切る印象はあります。やはり何回も手術は患者さんも、医療者もつらいですよね。

股関節離断の手技が載っている教科書は見つかりませんでしたが、下記の本は大体の切断手技は載っています。