切断指の再接着や遊離皮弁後にヒルを使うことがあります。
初めて聞く・見る人にはびっくりされますが、あのナメクジみたいな黒いヤツの事です。(画像は自粛)

メリット①うっ血の改善
動脈縫合後は静脈を縫合していたとしても、血液還流のほうが相対的に弱く、うっ血傾向になります
うっ血を改善させるために瀉血を行うこともあるのですが、傷をつけてヒルに吸わせることで適度な瀉血を行うことができます。

メリット②血栓予防
皮弁や再接着指の大敵は血栓で、予防でヘパリンを流したりすることもあるのですが、ヒルの唾液から産生されるヒルジンは抗トロンビン作用による抗凝固作用があり、局所の血栓予防となります。

デメリット①感染
医療用のヒルは無菌という触れ込みですが、ヒルの腸内バクテリアのAeromonas hydrophiliaによる感染が数%に生じるといわれています。第2,3世代のセフェム系抗生剤に感受性があるため,予防的に内服してもらうことが多いです。

デメリット②コスト
保険適応はありません。医療用ヒルは海外から輸入されており1匹3000円ほどします。労災や交通事故であれば保険会社に負担してもらう交渉が可能という噂もありますが、基本は病院負担ないし自費となります。

デメリット③管理
4度前後の温度の冷蔵庫で保存が必要です(200日程度生存)。病棟の薬剤冷蔵庫などで保存していることが多いですが、結構最初は嫌がられる傾向にある(生理的に)ようです。
30分くらい血を吸わせて、ぽとりと落ちたらアルコールなどで殺処分するのですが、見失ったり、途中で脱走して捜索が必要になることも、、(だいたいは血の跡をたどると探せます)


慣れてくると可愛く感じるのですが、感想は個人差があります、、